梅之木遺跡見学会
12月17日(土)、明野町浅尾梅之木遺跡で、北杜市教育委員会主催による見学会が行われました。
かやぶんでも発掘ボランティアやイベントなど、様々な活動を行ってきた梅之木遺跡。
去年に引き続き今年も貴重な発見があり、梅之木熱はますます高まりそうです。

風もなく穏やかに晴れ、絶好の見学会日和となりました。
今回の見学会では説明が午前の部・午後の部と2回に別れ、朝早くからたくさんの人達が集まっていました。

こちらは55号住居。ここからは、かやぶんかわら版第2号でご紹介した両面人面装飾付きの吊り手土器が出土しました。

18号住居。発掘ボランティアの人たちが掘った住居がここです。
住居の年代の見分け方や、石柱(写真奥)の意味など、参加者達は遺跡の内容の説明に聞き入っていました。
見学順路は住居の後、林の中から湯沢川の川縁となりました。
今年度の発掘では、この林の中に掘られたトレンチ(溝)から縄文時代の道、そして川縁のトレンチからは縄文時代の様々な施設が発見されました。
道は梅之木遺跡の集落から、川縁の作業場と見られる施設までを一直線につないでおり、このような遺跡が発見されることは全国でも初めてではないかということです。

梅之木遺跡の北側にあたる斜面に、計8本のトレンチが掘られています。
けっこうな傾斜!うっかりすると転がり落ちてしまいそうですが、見学会用に広く掘られた道が造ってありました。
そしてこれが縄文時代の道。白線の内側の部分だけ他の部分と色が違い、黒くなっています。
この道が、遺跡の端から川に平行するように、作業場までずっと続いています。

こちらは敷石遺構。道のほぼ終端にありました。
平らな石が敷かれ、土器がたくさん出土しています。
水辺のぬかるんだ地面を整地したのではないか、ということです。

こちらが集石土坑。敷石遺構より少し進んだところにあります。
石蒸し料理の施設だと考えられるとのことです。
川縁に掘られたトレンチの終端まで歩いたところで、遺跡にあがる道が斜面にきざんであり、そこを登って見学コースは終了。
見学者たちは写真やビデオを撮影したり、教育委員会の調査員に質問をしたりしていました。
遺跡は今月末には埋め戻され、来年度にまた発掘調査が行われます。昨年の吊り手土器発見に続き、貴重な発見があった梅之木遺跡。来年度の調査ではさらなる発見が期待出来そうです。
おまけ:

これは縄文時代のではなく、見学会用に作られた現代の道。道は広くならされてあり、溝の部分にはたくさんの土嚢が平らに敷き詰められて歩きやすくなっていました。
写真に写っている白いものは、なんとすべて土嚢!
縄文時代の道もすごいが、この道もスゴイ。
作業員の皆さんお疲れさまでした
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