新事業、茅葺き技術保存伝承活動事業のご報告

茅ヶ岳歴史文化研究所では、独立行政法人日本芸術文化振興会の「芸術文化振興基金助成金」を得て、この夏から茅葺き技術保存伝承活動事業を開始いたしました。

この事業は、実際に茅葺き屋根の葺き替えに、地域の人たちが関わり参加することによって、現在失われつつある茅葺きの技術を保存・伝承していくために行われます。
事業を行うにあたり、かねてから老朽化がすすんでいた明野町小笠原地区三之蔵の神楽殿の屋根の葺き替えを行い、技術を習得することとなりました。

三之蔵の神楽殿。
屋根・茅ともに古く、老朽化しています。
こちらの屋根の葺き替え作業を行い、茅葺き技術を地域の人たちに習得してもらいます。

8月19日には、既存屋根の解体と、古くなった茅の処分が行われました。
石川工務所の茅葺き職人、加々美栄氏と、文化財建造物保存技術協会技師、髙木裕雄樹氏の指導のもと、三之蔵神社の氏子さんや、地区の方達総勢40人以上に作業に参加していただきました。

屋根上に足場となる丸太を取りつけ、古くなった茅をどんどんはずしていきます。
はずした茅は地面に投げおろし、集めて処分します。
朝8時から始まった作業は、皆さんのご協力により昼前には終了し、神楽殿は新しい茅を葺くのを待つばかりとなりました。

この後、茅刈り場の見学や、葺き替え作業に立ち会っていただくことによって、地域の方々に茅葺き技術を継承していただきます。

三之蔵地区総代長の小泉透氏は、今回の事業によって茅葺き技術を継承し、およそ50年後の次回の屋根葺き替えの際には、地域の人たちの力で作業が行えるようにしたいと語られました。
また事業が終了し茅葺き技術者が育った暁には、ぜひとも三之蔵でも神楽を復活させ、神楽殿を活用したいとの意欲を述べられていました。

10月からは新しい屋根の茅葺き作業が行われます。この作業では、お手伝いをしていただけるボランティアさんを募集します。

ご希望の方・詳しい内容をお問い合せの方は、茅ヶ岳歴史文化研究所までご連絡下さい。