明野の小正月行事 一本松のおやなぎさん

明けましておめでとうございます。
今年も茅ヶ岳歴史文化研究所をよろしくお願いいたします。

さて、8日は明野町のあちこちで小正月の道祖神祭り行事、おやなぎさんが行われました。
本来ならば1月15日前後に行われるこの行事、近年は生活の変化に伴い、日曜日などに合わせて行われることが多いようです。
かやぶん発行のガイドブックでも取り上げたこのおやなぎさん、明野町では例年6カ所で行われていますが、今年はそこに新たに1つの地区が加わりました。
上手地区一本松で、なんと平成4年以来途絶えていたおやなぎさんが復活しました。昔のおやなぎさんを知る人の指導のもと、朝から皆で集まって作業に励みます。

切り出してきた竹を細く割り、おやなぎの枝にします。この枝は集落の戸数分を作り、家々の安全、息災を祈ります。
一本松は特に戸数の多い集落。なんと95本ものおやなぎの枝を作りました!

竹の下部分は軸となる棒につけるために割らずに残し、先の部分だけを細く割っていきます。これを均等に割るにはコツが必要!熟練者の手さばきに感嘆です。

男性陣が外で竹の細工をしている間、女性達は中で飾りとなる紙を切っています。
地区によって半紙や色紙、習字の紙などいろいろ種類がありますが、一本松はチラシを使いました。

細く割った竹の枝に糊を塗り、切った飾りの紙を巻き付けていきます。
95本すべての枝に紙が巻かれるととても綺麗!仕上げにカラースプレーで彩ります。

甘酒や漬け物で休憩を挟みながら、皆で和気あいあいと作業をしていました。
一本松公民館館長さんによると、伝統行事の復活というだけでなく、住民の人たち同士の交流の機会として、道祖神祭りがきっかけとなれば、との思いがあったそうです。
新住民の方にはおやなぎさんをみるのも初めて、という方も。これから一本松の伝統行事として新たに受け継がれていって欲しいものです。

やなぎの枝を軸に取り付け終わると、いよいよおやなぎさんを立てる番です。
広い場所に運んだやなぎを、3方から綱でゆっくりと引っ張りながら立てていきます。午後から風が出始め、寒い中での作業。

ついに完成!
立て始めてから形を整え、根元を固定して完成するまでに1時間ほどかかりました。道を通りがかる人たちの中には車を止め、見入ったりカメラを構えたりしている人もいました。
おやなぎさんは15日まで、県道沿いに飾られています。機会のある人は、どうぞご覧になって下さい。(場所:県道韮崎増富線 明野町一本松バス停近く)