


【設立趣旨】
特定非営利活動法人 茅ヶ岳歴史文化研究所(通称:かやぶん)は、山梨県北杜市を中心とした、地域の文化財についての情報を広く市民に提供し、地域史に関する知識・理解の深化や、文化財保護意識の高揚を図ることを目的に2002年9月11日に設立されました。
【沿革】
当法人の母体は、旧明野村(現北杜市明野町)の地域の歴史と文化財を学ぶ人達の集まり「明野村文化協会郷土研究部」でした。地域の歴史と文化財を次の世代に伝え、よりよい地域をつくる礎にしたい、というのが郷土研究部の部員の願いでしたが、調査を進めるうちに、文化財が生活環境の変化とともに失われていっていることに気付きました。
そのような事実を受け、より地域の文化財を保護し、後世に伝えていくことができる団体として、当法人は2002年9月11日に誕生しました。
2004年11月には、旧明野村を含む7町村が合併し北杜市が誕生しました(2006年3月には新たに小淵沢町が加わる)。それに先がけて同年10月より、当法人では、北杜市埋蔵文化財センター・明野歴史民俗資料館の指定管理運営を北杜市より委託されていました。現在は、明野町内の文化財を活用しての催しや、北杜市の文化財調査の支援業務を行っています。
2025年5月現在、会員24名・理事長1名、副理事長1名、理事4名、監事1名・調査員2名、事務員1名及び職員22名で運営しております。
【活動目的】
地域の文化財についての情報を、展示や体験教室、文化財活用イベント等を通して、子どもから大人まで、幅広い世代の市民に伝えることを目的として活動しています。それにより、地域の歴史に関する知識や理解が深まり、文化財の保護に対する意識が高まることを、また目指します。
【活動内容】




埋蔵文化財調査支援及び調査事業
平成24年度より北杜市教育委員会が所管する北杜市埋蔵文化財調査を支援という形態で受注し業務に従事する従業員を採用して対応しています。また、一般企業の調査業務も受注し広く埋蔵文化財調査ニーズにこたえています。
- 梅之木遺跡公園活用事業
梅之木遺跡公園の案内や施設管理の委託業務を北杜市より受注し対応していますが、梅之木遺跡公園の周知や活用の活性化を願い、令和5年度より「うめのきウキウキフェスティバル」と銘打って、縄文の歴史や暮らし、あるいは地域の歴史遺産を学び体験する機会や、世代を超えた人々の交流の場としてのマルシェ、さらには遺跡公園を取り巻く素晴らしい景観の中での音楽や舞踊のライブ等、梅之木遺跡公園の持つ価値をフルに活用した催しを実施しています。 - 明野町民俗芸能(お神楽)保存活用の支援
明野町の神楽保存活動を行う6団体で構成する「明野町民俗芸能保存会」の事務局として、明野町内の伝統芸能であるお神楽の保存継承を目的に、毎年秋開催される一般公開の「明野町伝統芸能研修会明野のお神楽」事業を運営し、地域の伝統芸能を次世代に引き継ぐ活動を行っています。 - 伝統文化・文化財の保存活用助成金制度の創設
北杜市の伝統文化や文化財の保存継承を目的に、市内の様々な団体が活動していますが、担い手不足や資金面でのご苦労を耳にしています。行政では対応しきれない市内の様々な伝統芸能や文化財の保存・活用を、民間が支援する仕組みを「NPO法人かやぶん」は検討してきました。その結果、今年度より「伝統文化・文化財の保存活用助成金制度」を創設し、北杜市内で伝統芸能や伝統行事あるいは地域の文化財の保存継承活動を行っている団体を対象に小規模ではありますが資金面での助成を行うこととしました。応募方法など詳細につきましてはホームページで紹介できるよう準備を進めております。 - 明野町内市指定史跡の除草業務
北杜市が指定した明野町内4史跡(屋代氏館跡土塁・穴塚古墳・馬検所跡・長清寺古寺跡)の除草業務を北杜市より受注し、地元の団体の協力のもと作業を実施し保存活動の一端を担っています。
【活動上の課題と今後の展望】
NPO法人「かやぶん」は、平成24年より北杜市教育委員会が実施する埋蔵文化財の調査を支援する事業として、埋蔵文化財の発掘及び発掘された土器などの遺物を整理分析する事業の多くを受託し、北杜市の大切な文化財の保護と地域の歴史の解明に寄与しています。NPO法人「かやぶん」の現在の活動は、北杜市の埋蔵文化財調査支援業務が中心となっていますが、本来業務である地域文化財の保護、活用として取り組んでいる「梅之木遺跡公園」の活用事業や地域の歴史を学ぶ「歴史ウォーク」など取り組みを継続するとともに、北杜市全域を対象とした活動へと範囲を広げていくことを考えています。

