調査員速報 2016年6月
現在、敷石住居址が密集する地点を調査しています。
敷石住居址とは、文字通り石が敷かれた住居の跡です。縄文時代中期末葉から後期前半にかけて、中部・関東地方でたくさん作られました。
今回お届けするのはPJ-258と名づけられた住居址です。作られた時期は、住居市内に残された土器からみて、縄文時代中期の最終末から後期の頃と考えています。
石は住居の奥壁に残っていました。石は板状の石が多く、床にしていたものだと思います。なぜ石を使ったのかは、恥ずかしながら、今勉強中です。中には、丸い石も残されていて、全ての石が床として置かれたとは限りません。
住居として使われたことは炉があることでわかります。この住居でも炉がでました。炉の横からは木工具である斧に使われた磨製石斧が出土しました。この磨製石斧は、ハンマーに転用されたものかと思います。詳しいことは遺物を洗ってから観察します。
敷石住居址は石を測量して記録した後、石を外して柱を立てた穴を探します。現在盛んに穴を探している最中です。
主任調査員 功刀でした。