平安時代の土葺屋根の住居跡

上原遺跡で建物の構造が分かる住居が見つかりました。住居跡の炭は、柱や屋根を支える垂木です。住むことを止めた時点で、竃を壊し、家を火にかけました。燃えた垂木の上に焼かれた土が載っていることから、屋根に土を載せたことがわかります。土葺屋根は縄文時代から認められ、最近まで続いていたことがわかっています。

土葺屋根は、縄文時代・弥生時代・古墳時代・平安時代と続く。中世以降でも土屋根はある。中世では東北地方・中部山岳地方に分布する。16世紀、長野県駒ヶ根市遊光遺跡の事例がある。中世では屋敷の門に土を葺くものがある(上土門。上級の武家屋敷などに用いられた格式が高い門)。江戸時代の市街地の建物についても、土屋根が奨励されたことがある。明暦の後、幕府が出したものであり、これは防火対策としての土屋根である。(上原遺跡発 文責功力)