八代家住宅 差茅講習会

明野町にあります国指定重要文化財「八代家住宅」では、年が明けてから「差茅」の作業が行われています。
「差茅」とは、茅が減って傷んでしまった屋根の箇所に、茅を差す補修作業のことです。
傷んだ箇所を放置しておくと、そこが雨の通り道になってしまい、傷みがより広がっていき、最終的には屋根に穴が開いてしまいます。
八代家住宅では、本年度より3年度計画で、屋根全体の傷んでいる部分を補修していきます。本年度はまず、日当たりが悪いため一番傷みの激しい北面の差茅作業を行います。

今回、作業にあたっているのは、昨年度かやぶんで行いました、三之蔵神社神楽殿における「茅葺き技術保存伝承活動」の時にもお世話になった、「伝匠舎 LLC 茅ノ家」の加々美栄さんです。
三之蔵神社の神楽殿は、葺き上がって1年強しか経っていないので、まだ屋根面はきれいですが、いずれ差茅の作業は必要になってきます。
その時に備えて、「茅葺き技術保存伝承活動」に参加された、三之蔵区民とボランティアの方々を対象に、加々美さんに講師になっていただき、本日、差茅講習会を開催しました。

あいにくの悪天候にも関わらず、多くの方がご参加くださいました。
傷んでしまった屋根部分にカブトムシなどが発生してしまう話、傷みがひどくなると穴が開いてしまう話など、興味深くも、注意しなくてはいけない話を聞いて、特に三之蔵区民の皆さんは近い将来の差茅作業のことについて考えていらっしゃったようです。